中期経営計画

Mountains and Highlands

2023-2025年度中期経営計画:計画の概要

当社グループは、2023年度に開始した新たな中期経営計画(新中計)を、2030年およびそれ以降の目指す姿の実現に向けて、持続的な成長と収益力向上のモデルを構築する期間と位置付けました。事業モデルと事業ポートフォリオの変革、お客様のIT資産のモダナイゼーションの確実なサポート、海外ビジネスの収益性向上という3つのテーマを掲げています。
この3つのテーマを確実に推進するため、4つの重点戦略を策定しました。「事業モデル・ポートフォリオ戦略」は、事業基盤の強化に向け、Fujitsu Uvance事業の成長を軸にサービス領域の拡大に取り組みます。「カスタマサクセス戦略/地域戦略」は、日本を起点にグローバルでのフロント戦略を強化し、コンサルティング人材の拡充、モダナイゼーションのサポート体制の構築、海外リージョンにおける抜本的な利益率の向上、戦略的なアライアンスを実行します。「テクノロジー戦略」は、AIを核に5つのコアテクノロジーを強化しビジネスに活用することで、テクノロジーカンパニーとして社会に価値を提供します。「リソース戦略」は、事業を支え続ける人材戦略としてグローバル統一のRole定義や成長領域のリソースの拡充を推進するほか、生産性の向上、経営基盤の強化に取り組みます。
これら4つの重点戦略を着実に実行し、ステークホルダーへの提供価値の最大化を実現していきます。

計画の概要図

2023-2025年度中期経営計画:財務・非財務目標

財務目標の図

新中計では、最終年度となる2025年度に売上収益4.2兆円、調整後営業利益5,000億円、調整後営業利益率12%という財務目標を定めました。Fujitsu Uvanceを成長のドライバーとしてサービスソリューションを中心に収益性の向上を目指します。また、事業成長に加え運転資本効率の改善によりキャッシュ・フロー創出力を強化し、2025年度のコア・フリー・キャッシュ・フロー(FCF)は2022年度実績の約2倍となる3,000億円への拡大を図ります。さらに、拡大したキャッシュ・フローを最適配分することで、EPSは2022年度の水準から14~16%の年平均成長率を目指します。企業価値の持続的向上の実現に向け、財務戦略を着実に推進します。

非財務目標の図

お客様や社会に対する貢献と、自らの持続的な成長を可能にする土台の強化について測定・検証するため、非財務目標を設定し、環境、お客様、生産性、人材の4つの項目において2025年度のKPIを定め達成に向けて取り組んでいます。前中計から経営目標に掲げているお客様NPSと従業員エンゲージメントは継続的な向上を目指します。新たに、環境についてはGHG排出量、生産性については従業員一人当たりの営業利益、また人材についてはダイバーシティリーダーシップの指標としてグローバルでの女性幹部社員比率をKPIとし、非財務目標に加えました。さらに、これらの非財務の取り組みが財務面にどのように寄与するか、引き続き定量的な分析を進め企業価値の向上につなげていきます。

2023-2025年度中期経営計画:重点戦略

事業モデル・ポートフォリオ戦略

セグメント変更

2023年度より、従前のテクノロジーソリューションを、サービスソリューションとハードウェアソリューションに分割します。成長領域への投資と効果をより明確化し、事業ポートフォリオのマネジメントを強化します。

サービスソリューションの拡大

成長領域であるサービスソリューションは、Fujitsu Uvanceを中心とした収益性の高いオンクラウドのデジタルサービスを拡大し、従来型のオンプレミスのサービスは、生産性向上とクラウドシフトにつながるモダナイゼーションに取り組みます。

お客様との長期的なエンゲージメントの構築

お客様の課題に共に向き合い、ステージに応じた最適なソリューションを継続的に提供し、モダナイゼーションやクラウドシフトなどを長期的に支援します。

事業モデル・ポートフォリオ戦略の図

カスタマサクセス戦略/地域戦略

コンサルティングの拡充

テクノロジー軸のコンサルティングと、事業、経営に関わるビジネス軸でのコンサルティングスキルを持つ人員を、リスキリング等により合計10,000人規模に拡充します。

最適なモダナイゼーションの実現

長年培ってきたエンジニアリング力、モダナイゼーション専任組織やグローバルでのデリバリー体制を活かして、お客様資産の最適化とDX・SX(sustainability transformation)を支えます。

海外ビジネスのサービスシフト

海外サービスの売上に占めるFujitsu Uvance割合を2022年度の20%から2025年度に45%へ拡大します。

戦略的アライアンスのさらなる発展

グローバルなお客様への提供価値を高めるために戦略パートナーとのアライアンスを強化・拡大します。

お客様事業の一層の安定化

情報セキュリティ、システム品質はパーパスで掲げる社会の信頼を作るうえで最も重要な要素です。管理体制の強化に向けた施策の実行、効果測定と改善を恒久的に実施していきます。

カスタマサクセス戦略/地域戦略の図

テクノロジー戦略

テクノロジーを起点とした付加価値の創出Fujitsu Uvanceを支える

Key Technologiesとして、Computing、Network、AI、Data & Security、Convergingの5つを定め、重点的に研究開発を行っています。AIを核に5つのコアテクノロジーをさらに強化し、付加価値としてビジネスに実装していきます。

ビジネス活用(価値提供強化)

テクノロジーによるイノベーションを付加価値に変えてお客様や社会に提供していくための取り組みを強化します。コアテクノロジーに、Fujitsu UvanceのVertical領域のアプリケーションやサービスを組み合わせてオファリングとして提供することで、お客様と共にテクノロジーの社会実装を進めます。

テクノロジー戦略の図

リソース戦略

事業と連動した人材ポートフォリオの実現

事業と連動した人材ポートフォリオ構築と育成計画を全社で進めます。グローバル統一のJob Roleを定義し、リスキリングやアップスキリングを行い、成長領域のリソースを拡充します。

経営基盤の強化によるお客様への提供価値の向上

前中計から引き続き、生産性の向上および経営基盤の強化に取り組みます。当社グループの人的資本経営の取り組みやOneFujitsuプログラムを中心としたデータドリブン経営の強化を通じた経験・ノウハウを価値としてお客様に提供することで、社会全体のDXを促進します。

リソース戦略の図

富士通統合レポート2023

富士通統合レポート2023のPDFの表紙
富士通統合レポート2023のPDFの表紙