データとテクノロジーを駆使して
一人ひとりにあったヘルスケアを
Article|2024年2月15日
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医療費や介護費の増大や医療・福祉分野での人手不足、さらにはパンデミックへの対応など、ヘルスケアをめぐる様々な課題への対応が急務となっています。
先進国の多くでは今後ますます高齢化が進んでいくことが予想される中、富士通株式会社は、医療やヘルスケア分野における最新のテクノロジーを紹介するイベントに参加し、データとテクノロジーを使って一人ひとりにあった医療やヘルスケアサービスの提供を目指す取り組みを紹介しました。
当日の詳細な講演資料は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
“日常生活に溶け込むヘルスケア” の実現を
2023年12月、東京・日本橋のイベントホールで2日間にわたって開かれた「Healthtech Summit (ヘルステック・サミット)」。医療・ヘルスケア分野に関わる企業や研究者などが集まり、それぞれが最新の知見を紹介しました。
富士通からは、ソーシャルソリューション事業本部の青野考がイベント初日に講演を行いました。
「データとテクノロジーでヘルスケアは変革していくだろう」
そう切り出した青野は、富士通が描く2030年の未来を紹介しました。
たとえば、今後は医療機関では患者一人ひとりに即した個別化医療が行われるようになり、そのため製薬会社では疾患に合わせて画期的な創薬が迅速に行えるようになることを目指しています。また、小売業界では顧客一人ひとりの健康状態にあった商品がリアルタイムでおすすめされるようなサービスの実現のため、現在仕組みづくりを進めています。
青野は、「こういった未来に向けて取り組んでいくことで “日常生活に溶け込むヘルスケア” が実現できると思っています。データとテクノロジーの力で生活の質の向上につなげていきたい」と述べました。
多くの機関との対話を通して 社会課題の解決へ
講演の中では、富士通が目指す2030年のウェルビーイングな社会の実現に向けた取り組みや展望についても紹介しました。
医療の分野では、北海道公立大学法人札幌医科大学との取り組みを進めています。札幌医科大学は地元のクリニックと連携して地域医療を行っていて、月に1回程度、遠隔地にあるクリニックを訪れて診療を行っています。このため、慢性疾患のある患者に対しても、クリニックで診察した日のデータしか取得することができないという課題がありました。そこで、同意を得られた患者のウェアラブルデバイスから日常生活の健康データを連携し、診察や治療に役立てられるようにしました。医師が患者の健康に関するデータを確認できるだけでなく、患者が過去の検査結果や処方された薬の情報をいつでも簡単に閲覧できるスマホアプリも提供しています。
また、健康状態や診療データをもとに、日々の買い物の利便性を高めるための取り組みについても紹介しました。富士通は、AIが個人の医療データやライフログ(日々の生活の中で記録されたデータ)を分析して、一人ひとりにあった買い物体験を提案する仕組みの実現を目指しています。たとえばスーパーマーケットやドラッグストアに行った際、自分のライフログなどのデータをもとに、AIがその人に足りていない栄養素を補うためのサプリを教えてくれたり、買い物かごに入っている商品からその人にあった健康レシピを提案したりする仕組みづくりを進めています。
青野は、「ヘルスケアデータを掛け合わせることで、より価値のある、より個人に合わせた買い物の提案ができるようにしたいと考えています。そして、様々なデータに分析を加えるとともに、専門家や多くの企業と連携することでマーケティングの仕組みを作っていこうと取り組んでいます」と述べました。
そして講演の最後に、富士通が「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を通して社会課題の解決への貢献を目指していることを紹介し、様々な企業や組織と連携しながら社会問題の解決につなげていきたいと呼びかけました。
「社会課題というものは、一企業、一業種では解決できず、様々な業種の企業や政府・自治体との連携で達成していくものだと思っています。持続可能な世界の実現を目指して、社会課題の解決に焦点を当てたエコシステムを作っていきたいと思っていますので、ぜひ皆様とお話しながら進めていきたい」
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