【速報】CxO意識調査 サステナビリティ推進 7割が「最重要」

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Report|2024-01-12

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サステナビリティに関する目標の達成は経営の必須事項―今、企業経営者の多くがこのように考えていることがわかりました。富士通が企業・組織の経営者層を対象に行った2024年の最新アンケート調査によりますと、事業成長とサステナビリティ目標の達成を両立させるには、他組織との協働が重要と考える経営者が多くなっています。今後サステナビリティの推進に向けて、データや技術の共有を促進する「信頼できるシステム」構築への需要が増すことが予想されます。

主なファインディングス

  • 他組織との協働に積極的な組織ほど、サステナビリティ推進の成果を実感している
  • 70%の経営者層が「サステナビリティは今後5年の経営の最優先事項」と考えている
  • サステナビリティ経営を阻害する要因として、半数以上(51%)が「ステークホルダーの協力が充分に得られない」ことを指摘
  • 3分の1の経営者層が、他組織と協働できない理由のひとつに「信頼関係の不足」を挙げた
  • サステナビリティ経営推進の障壁として、54%が「リーダーシップが足りない」ことを挙げた

富士通株式会社は2023年11月から12月にかけて、15か国の企業経営者層600人を対象に、サステナビリティ経営の意識についてアンケート調査を実施しました。

この度まとまった速報値を、2024年1月の世界経済フォーラム (World Economic Forum: WEF) 年次総会、通称「ダボス会議」にあわせて公表します。2024年ダボス会議は「信頼の再構築へ」をテーマに、各界のビジネスリーダーが地政学的な緊張や気候変動、経済危機といった課題への協調や取り組みを議論します。

サステナビリティ変革の成果 企業間コラボレーションで向上

調査で「外部のサステナビリティ目標(第三者機関や政府による基準など)を、どの程度達成できたか」について訊いたところ、「目標を下回っている」と答えた経営者層は半数近く(45%)に上りました。多くの企業が、目標達成に苦戦する現状が伺えました。

しかし、他組織とのコラボレーションに積極的な経営者ほど、サステナビリティの取り組みについて具体的な成果を実感している傾向にあることもわかりました。「サステナビリティの取り組みに関して協働が進んでいる」とした回答者の過半数(57%)が、「取り組みで具体的な成果が出ている」と答えました。一方で、他組織と協働していないグループでは「成果が出ている」との答えは23%に留まりました。

また、「サステナビリティは今後5年間の最優先事項だ」とした回答者は全体の70%にのぼりました。このことから、サステナビリティ・トランスフォーメーションを事業の成長プランの中心に位置付け、力を入れる経営者層が多くなっていることがわかりました。

70%が、「サステナビリティは​今後5年間の最優先課題」​と回答​

サステナビリティに取り組む理由を訊ねたところ、多かった回答は次の通りです:

  • 投資の呼び込み
  • 事業の成長と拡大(例:財務目標の達成)
  • 株主などに公開する企業情報の透明性向上
  • 社会によい影響を与える(例:ESGなどの非財務価値の向上)

回答からは、サステナビリティ変革はビジネス成長に不可欠と認識している経営者層が多いことがわかります。また、これまで両立が難しいと思われがちだった事業成長とサステナビリティ貢献の両立について、可能と考える経営層も多いことが示唆されました。

推進を妨げる3要因:ステークホルダーの協力・リーダーシップ・信頼関係の不足

サステナビリティ推進を阻害する要因を複数回答で訊いた質問では、企業間コラボレーションについての指摘が目立ちました。そのひとつがステークホルダーの協力です。回答者の過半数(51%)が、障壁として「ステークホルダーから十分な協力が得られない」ことを挙げました。例えば、協業相手が売上目標などのプレッシャーによって、長期目標より短期的な利益を求めるケースなどです。このような不協和音が協働関係の中にあるとサステナビリティの取り組みはうまくいかないことが多いとする経営者は少なくありません。

また、本調査では回答者の半数以上(54%)が、サステナビリティ推進の阻害要因として「リーダーシップが足りない」ことを指摘しました。 意思決定を行うリーダーには、強固なパートナーシップを構築するために、パートナー企業の視点とその企業における事業の優先順位について、十分に理解するといった姿勢が求められているといえます。

54%が、サステナビリティ推進の​阻害要因として​「リーダーシップが​足りない」ことを挙げた​

さらに、サステナビリティを推進する連携が進まない理由について訊いたところ、回答者の約3分の1が他組織と協働するにあたり、「信頼関係の不足が障壁となっている」と指摘しました。この回答は、サステナビリティに取り組む熱意が低いグループでは60%に達しました。一方で、変革を意識する熱心なグループにおいては、10%に留まっています。

1/3が、他組織と協働するにあたり「信頼関係の不足が障壁となっている」と指摘

このような調査結果は、サステナビリティ施策をうまく推進する企業経営者ほど、パートナー組織との信頼構築を重視していることを示唆しています。逆に信頼関係がなければ、サステナビリティの協働はうまくいかない傾向にあるといえます。信頼関係に欠けるパートナーシップは、専門知識やデータ、技術といったリソースの共有に消極的となってしまうことから効果も出にくいことが考えられます。

サステナビリティ変革に必要なコラボレーションとは

調査からは、サステナビリティ目標を達成するためには、1社だけではなく他組織といかに連携できるかがカギであることが伺えます。目標達成に向けた取り組みを加速させるには、データや技術を安心して共有する信頼性の高いシステムを構築し、社会貢献とビジネス成長は両立できるという価値観を共有するパートナー連携を拡大することが求められるといえます。

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この度実施した、経営幹部層のインタビューを多数追加した本調査研究の全文を、2024年春に発表予定です。
世界経済フォーラム年次総会の期間中の富士通の公開セッション予定については、富士通公式サイト「世界経済フォーラム2024」(英語サイト)をご覧ください。

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