AWS Summit Japanにてモダナイゼーションとハイブリッドクラウド運用支援を紹介

AWS Summit Japanの会場

Report|2024-07-18

この記事は約5分で読めます

Amazon Web Service(アマゾン・ウェブ・サービス/以下、AWS)が主催するイベント、「AWS Summit Japan(エー・ダブリュー・エス・サミット・ジャパン)」が千葉県の幕張メッセで開かれ、富士通株式会社はモダナイゼーションなどの取り組みを紹介しました。本記事では、イベントの内容や富士通の展示ブースについてリポートします。

AWS Summit Japanとは

AWS Summit Japanは、毎年延べ3万人が参加する日本最大のAWSを学ぶイベントで、2024年は6月20日・21日の2日間にわたって開かれました。会場では150を超えるセッションが行われたほか、250以上の展示ブースが設けられました。

中でも多くの人で賑わっていたのが「AWS Village」と名付けられた区画です。AWSのサービスや顧客事例などを紹介していて、「生成AI」や「セキュリティ」などのテーマごとに4つのエリアに分けられていました。生成AIに関する展示はとりわけ来場者の注目を集めていて、訪れた人たちは色々なブースを巡ってAIの活用事例などの説明に聞き入っていました。

多くの人で賑わうAWS Summit Japanの会場
多くの人で賑わうAWS Summit Japanの会場

富士通のブースとセッション

こうしたトレンドの中、AWSのプレミアティアパートナーである富士通は、モダナイゼーションやハイブリッドクラウド環境の運用支援の取り組みなどについて紹介しました。ブースとセッションにはあわせて1000人を超える来客があり、多くの企業がこれらの分野に強い関心を持っていることが伺えました。また、モダナイゼーションナレッジセンター長 SVPの伊井哲也が「富士通がAWSと共に取り組む攻めのモダナイゼーション」と題した講演を行い、会場は満席で、立ち見も出るほどの盛況でした。

モダナイゼーション

モダナイゼーションとは、古くなった既存のコンピューターシステム、いわゆる「レガシーシステム」を新しいシステムに刷新することで、富士通がいま注力している分野の1つです。富士通とAWSは2024年3月にこの分野で協業することを合同で発表し、「Modernization Acceleration Joint Initiative」(モダナイゼーション・アクセラレーション・ジョイント・イニシアティブ)として4月より取り組みを開始しました。富士通の培ってきたシステムインテグレーション技術とAWSのクラウドテクノロジーを融合し、モダナイゼーションを迅速かつ安全に進められるよう支援しています。

富士通のブースでは、こうした協業の取り組みについて説明するとともに、「AWS Blu Age(ブルーエイジ)」のリライトサービスを活用したソースコードの変換の様子などをデモンストレーションしました。
古いプログラム言語やミドルウェアが使われている場合、すでに実装されている機能を使うことには問題がないとしても、機能を拡張するには様々なハードルが考えられます。そこで、「AWS Blue Age」を使ってソースコードを分析し、変換対象となるプログラムを特定した上で、JAVAに変換します。動作の操作性を保ったまま、ソースコードを変換する「リファクタリング」をすることで、最新のJAVAアーキテクチャーへ自動変換でき、新たな業務要件に対応するリードタイムの短縮や改修のコストの削減につなげることができます。

ハイブリッドクラウド環境の運用支援

もう1つのブースでは、ハイブリッドクラウド環境の運用支援について説明しました。
ハイブリッドクラウド環境とは、オンプレミスやプライベートクラウド、パブリッククラウドなど、様々なシステムが混在する状況を指します。ハイブリッドクラウド環境を運用している企業は多く、その運用は複雑で困難です。
そこで、富士通は「Fujitsu Cloud Managed Service(以下、FCMS)」というサービスを紹介しました。これは、富士通が長年培ってきた実績に基づく知見を詰め込んだツールと、グローバル標準の運用を併せて提供するサービスで、会場ではそのデモンストレーションを行いました。FCMSを活用することで様々なクラウド環境を一元的に管理できるようになり、運用の効率化を図ることができます。ダッシュボード上では、システムの運用状況やインシデントの発生状況が一目でわかるようになっているほか、セキュリティの脆弱性も可視化されます。また、オペレーションのサービスも提供していることから、自動化や可視化機能による作業の効率化や富士通の技術者のサポートにより、これまでIT運用に使っていた時間を別の作業に充てることができるようになります。実際に、FCMSを導入した英国のホテルレストランチェーンは運用作業の24%を削減し、多くの従業員を新たな業務にシフトさせることができました。このように、IT運用の効率化を図ることで、事業の成長につなげていくことが期待されます。

AWS Summitでの富士通の展示ブース
AWS Summitでの富士通の展示ブース

富士通との協業で変革とイノベーションを

イベントの開催にあたって、AWSより両社の協業に期待するコメントをいただきました。


"富士通には最上位スポンサーとして、戦略協業であるメインフレームモダナイやAWSの活用と運用最適化のサービスの展示、セッションを頂き、両社の強固なパートナーシップを多くのお客様に知って頂く機会となりました。富士通は昨年度国内で最多のAWS認定取得、アクティブ認定数をお持ちのパートナーとして表彰させて頂いており、今後も富士通との協業により変革とイノベーションを多くのお客様に届けられることを楽しみにしています。"

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 相田哲也様
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
パートナーアライアンス事業統括本部 ストラテジックパートナー統括本部 統括本部長
第一ストラテジックパートナー本部 本部長
相田哲也様

高い技術力を持つ富士通のエンジニアたち

AWS Summitにおいては、高い技術力を持つエンジニアの表彰も行われ、ことしも富士通から多くのエンジニアが表彰されました。
また、富士通は、現在6000を超えるAWS認定を取得しており、2024年5月に発表されたAWS Japan Certification Award 2023において、最も多くの AWS 認定累計取得総数(アクティブな認定数)を達成したパートナーとして All Certifications Champion を受賞しました。

関連リンク

[8/6開催Webセミナー]システム運用の負荷を軽減し業務改革を目指す ~ハイブリッドクラウド運用の理想形とは~

本セミナーでは、企業のDX推進に不可欠とされる「クラウド」に焦点をあて、クラウド運用・管理業務の自動化・効率化を可能にする最新サービスをご紹介しながら、企業が持続可能な成長を遂げるための限られた人的リソースのあり方についても考察します。
データセンターでノートパソコンを使用しているエンジニア

Fujitsu Cloud Managed Service

ハイブリッドインフラ運用の最適化を支援する
オフィスのソファでノートパソコンを操作しているビジネスウーマン

モダナイゼーション 既存の情報システムをDX基盤に最適化

古くなったレガシーシステムを、最新技術や新たな製品・サービスを活用して最適化するモダナイゼーション。富士通では、お客様資産の最適化とDXを支援するためのサービスをご用意しました
カラフルな線の流れ